あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


1 ことりさん、うさぎさん、どうしたの?

エシカルンは、深いふかい森のなかの
ちいさなおうちにすんでいました。
まっかなとびらの左右には、
まわりの木々を見わたせるほど大きな窓。
やねにはかわいい水玉もよう。
庭にはひなぎくの花が咲いています。

まいにち、たくさんの森のなかまたちと
しあわせにくらしていたエシカルン 。
でもさいきん、どうもみんなの
ようすがおかしいことに気がつきました。

「エシカルン、わたしはさいきん、
じょうずにおうたがうたえないの」
水色のはねをぶるっとふるわせて、
なかよしのことりさんがいいました。

「エシカルン、ぼくはおとついから
大好きなはっぱをいままでみたいに
いっぱい食べられないんだ」
ながいお耳をしんなりさせて、
おとなりにすむうさぎさんがいいました。

ことりさんもうさぎさんも
いったいどうしたんだろう。
ふたりのことが気がかりで
しかたがなくなったエシカルン。
そうだ!ことりさんやうさぎさんと
いっしょに、だいすきなあの場所へ
ピクニックにでかけてみよう。

エシカルンのだいすきな場所というのは、
さらに森の深く、みずうみのほとりに
ひろがる、とりどりのお花ばたけ。
ちょうど、春のお花がまんかいに
なっているころでしょう。

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