はるがすぎ、なつがさって、あきがおわり、
エシカルンたちのたびは、まだまだつづいています。
3にんは、はにかみなおひさまをからかってみたり、
ふゆごもりの歌をうたったりしながら、
つぎの町へとむかいました。
ふゆり、ふゆりとこなゆきがまう町は、
ところどころに、
まっしろいおさとうをまぶしたようなすがたで、
はたけも、川も、山のてっぺんもふるえています。
けれども、ことりさんは、
あたまにちいさな雪だるまをのっけて、
なんだかうれしそうです。
町のまんなかあたりまでくると、
それまでようきにしていたうさぎさんが、
ピンクいろのおはなを
ぴくっとしながらたちどまりました。
なんだかへんなにおいがするよ。
うさぎさんはにおいのほうへかけていきました。
ことりさんもエシカルンもつづきました。
するとどうでしょう。
3にんの前にとつぜんあらわれたのは、
まっくろに焼けたおおきなたてもの。
うさぎさんがかいだのは、
そのたてものがこげたにおいだったのです。
たてものの前には、
ふたりの少女がたたずんでいました。
ふたりはくっつきあい、とてもさむそうでしたが、
でも、なぜだか着ているようふくは、
ぴかぴかのそらいろに、
まっかなお花のししゅうをさしたワンピース。
まるで、冬のおひめさまから
まほうをかけてもらったみたいに、
かわいらしいものだったのです。ねぇ、こんなところで、どうしたの?
エシカルンがふたりにはなしかけると、
少女たちはうるんだ目でエシカルンにいいました。
ここは、わたしたちがずっとはたらいてきた
はたおりのこうじょうだったの。
でもね、火事になって、
たいせつな布も糸も、どうぐも、
ぜんぶ燃えてしまったの。