おんなじにんげんだのに、
いいこころをもったものと、
わるいこころをもったものがいるのは
いったい、なぜ?
エシカルンはそんなふうにかんがえるのでした。
そうして、ふくろうのおじいさんに
もういちどといをしたのです。
ぼくらが森のそとでであったにんげんたちは、
みんないいこころでしたよ。
親方やお頭だって、
ほんとうはやさしいひとでした。
森をこわそうとしているにんげんは、
どうしてそんなにわるいこころになるの?
ふくろうのおじいさんは、
めがねのおくのおおきなひとみを
くるんくるんとうごかしていいました。
にんげんは、
おおきなたてものをこしらえたり、
べんりなきかいをはつめいしたりしているが、
もともとは、わしらとおなじいきものじゃ。
まちがいなことをおこすことはあっても、
ほんとうにわるいこころなんてもってはおらん。
おじいさんのはなしをきいていたエシカルンは、
ふうとためいきをつき、
よかったというふうにうなずくのでした。
ほんとうに?
うれしそうなえがおをした
ことりさんのあしもとには、
いつのまにか、
てんとうむしのかぞくがやってきています。
そうかもしれないね。
たのしそうにとびはねる
うさぎさんのせなかには、
みつをかかえたみつばちがとんできました。
やぁ、はるだね。
ことしももりにはるがきたよ。
そういいながら、
エシカルンとうさぎさん、ことりさんは
くるくるとダンスをはじめました。
ピルピル、ピルピル、てをつなごう。
ピルルン、ピルルン、
みんないっしょにわになろう。
3にんがリズムにうごくと、
ねむそうなくまのおとうさんも、
ようやくめざめたようです。
これからは、ぼくたちもにんげんも、
もっとなかよくやっていけるよね。
エシカルンがおじいさんをみあげると、
そこにはぽかぽかのたいようが
まぶしくかがやいていました。