えしかるるるん、えしかるんるん。
ふしぎなこえが、森ぜんたいを
ふろしきでつつんでしまうように
ひびいたとおもったら…。
ねむそうな目をこすりこすり、
そこにあらわれたのは
森でいちばんおおきくてちからもちな、
くまのおとうさんでした。
いったいなにがおこったんだい?
さわがしくてねむれやしないじゃないか。
おとうさんは、こどもたちといっしょに、
根っこのあなのなかで
とうみんのさいちゅうだったのです。
あしもとには、2ひきのこぐまたちが、
ようやくゆめからさめたように
目をぱちくりさせていました。
うるさい音のしょうたいは、おまえたちだな。
くまのおとうさんは、
おおきなおとをたてながら木をたおしている
きかいにむかって、
ゆっくりとちかづいていきます。
そうして、きかいをさゆうにおおきくゆさぶると、
のっているにんげんは、
あっというまにふりおとされてしまいました。
にんげんは、
くまのすがたにすっかりおびえてしまい、
もうどうしようも
たちうちできないというふうです。
そのようすを見ていたふくろうのおじいさんは、
こんどはさとすように、
にんげんたちにむかってこういいました。
にんげんは、
むかしは森のなかまとも
なかよくくらしていたのに、
いつのまにかじぶんたちがいちばんと
おもうようになってしまった。
じぶんたちがちきゅうのすべてを
しはいできるとおもってしまったのだ。
エシカルンは、
ふくろうのおじいさんのはなしをききながら、
森のそとでであったにんげんたちを、
ふたたびおもいだしていました。