3にんは、音のしているほうこうへと、
しぜんとあしが向かっていきました。
コツ、コツ、コツ。
いよいよおおきくとどくようになった音に、
エシカルンたちは、ついにそのありかをとらえます。
そこには、ぜんしんがどろでひどくよごれ、
あつさのせいか、
かおをまっかにしたおとこのこのすがたが。
音のしょうたいは、
おとこのこが、あせみずくになりながら、
てつでできたかたいどうぐをつかって、
がけの岩をくだくものだったのです。
なぜだかとっさに、そのおとこのこが
にんげんのこどもだとうかんだエシカルン。
「こんにちは」「こんにちは」
うしろからおそるおそるこえをかけてみると、
おとこのこは手をやめて、
ゆっくりとこちらをふりむきました。
「こんなところで、なにをしているの?」
ことりさんは、しっとりとたずねながら、
おとこのこのほっぺたについたどろを、
やわらかなはねで
はらってあげられたらいいとおもいました。
「がけのふちは、すべってあぶないよ」
うさぎさんは、そうしんぱいしながら、
やせっぽちなおとこのこに、
さっきのおにぎりを
ひとつのこして、食べさしてあげたらよかったと、
こうかいのきもちがしました。