おひるごはんのあと、
どのくらいあるいたことでしょう。
3にんはようやく、森のそとにでました。
でも、そこには、ことりさんがいつもうっとりとなる
青芽のにおいはありません。
うさぎさんがそうっとさわってみたくなる
てまりのようなつぼみもみあたりませんでした。
森のそとでは、春はすでにおわり、
夏のひざしがじめんにきりきりとふりそそいでいます。
みちのりょうがわにはえているくさたちも、
あつさのためかうなだれてしまい、
どことなくいきぐるしいようすです。
しばらくすると、これはいったいなに?
どこからともなく、いままできいたこともない
きみょうな音が、3にんの耳にひびいてきました。
コツ、コツ、コツ。
コツ、コツ、コツ。
なにか、とてもかたいものをたたいているような、音。
コツ、コツ、コツ。
コツ、コツ、コツ。
間をあけず、あさのたいそうのように
きそくただしくきこえてくる、音。
エシカルンはちゅういぶかくあたりを見まわします。
しばらくすると、その音は、はるかむこうの
がけからしてくることがわかりました。