あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


17 おとこのこへのプレゼント

いくにちがすぎて、
エシカルンとことりさん、うさぎさん、
そしておとこのこは
すっかりともだちになっていました。

4にんはコツコツコツ、コツコツコツと
こうたいでいわをほり、
るりいろ石をさがしています。
すると。

「おーい!」「おーい!」
きこえてきたのは、あの、親方のこえ。
こどもはしんぞうがずんずんとおおきくなり、
エシカルンのうしろにからだをちぢこませました。
「みんな、かくれたほうがいいよ!
親方がしうちをしにきたにちがいないよ」

ところが、エシカルンは、
にっこりわらってこういうのです。
「だいじょうぶだよ。
もう、しんぱいはいらないよ」
エシカルンのゆかいなひとことに、
ことりさんとうさぎさんは、
こくびをかしげてふしぎがりました。

かたてにおおきなふくろをかかえて親方は、
おとこのこにちかづいてこういいます。
「おまえのおかあさんはたしか、
からだがじょうぶでなかったよな。

きょうはこれをもってかえりなさい」。
親方は、いままでにみたことも
ないようなやさしいかおで、
おもむろにふくろをさしだしました。

おそるおそる、
ふくろをうけとったおとこのこが、
かおをちかづけ、
そのなかみをそうっとのぞいてみると…。

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