あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


18 親方、こころをいれかえる

ふくろのなかみは、
しんせんなミルクにうみたてのたまご、
ふわふわなパン。
ゆめにもみたことがないほどの金貨。

「おれは、こどものころに
じぶんがされてきたひどいろうどうと
おなじことをおまえにしてしまった。
どうかゆるしてくれ」
親方は、おとこのこの前で
すっかりうなだれるのでした。

「これからは毎日がっこうにいってえらくなって、
まずしいひとたちをたすけてほしい」

親方の変わりようをふしぎにかんじた
おとこのこでしたが、やがて、
「親方、ありがとうございます。
いっしょうけんめいにがんばります」
そういってじめんにあたまがつくほどの、
おおきなおれいをしました。

そんなようすをじっとみまもっていた、
ことりさんとうさぎさんとエシカルン。
しだいにうれしさがつのった3にんは、
くるくるとダンスをはじめました。

ピルピル、ピルピル、てをつなごう。
ピルルン、ピルルン、
みんないっしょにわになろう。
ことりさんのおうたにあわせて、
うさぎさんのしっぽが
つんつんとリズムにうごくと、
エシカルンはそれにあわせてスキップを
してみせました。

さて、それからというもの、
親方はすっかり心もちのやさしいひとになり、
ブランコやシーソーのあそびばをつくったり、
おいしいりょうりを
こしらえていえにまねいたりと、
たくわえたざいさんを
たくさんのこどもたちのためにつかいました。

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