あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


19 うみにたたずむおやこ

3にんは、おとこのこや親方とわかれをし、
ずんずん、ずんずんとまたあるきだしました。

どれくらいあるいたでしょう。
とつぜん3にんのまえのけしきがひらけました。
ひろがっていたのは、ひょうめんにしろいなみが
いったりきたりしている、
いちめんの水のだいち。
そのようすを、じいっとみていた
うさぎさんがつぶやきます。
「これは森にあるのとおんなじ、
みずうみだろうか?」

「いや、これはもっとおおきな、
うみというものだよ。
いつかこびとさんの家で
しゃしんをみせてもらったことがあるんだ」
エシカルンはそういいながら、
はじめてみるうみのすがたが、
あまりにもおおきいもので、
むねがどきどきしました。
「なんでも、水のなかには
おさかなやらがいっぱいいて、
この水はふしぎにしょっぱいらしいよ」

3にんは、たいようのひかりが
なみの上でおほしさまのようになって
ちかちかとひかるさまに、めをほそめます。

そのとき、ふと、むこうがわのがんぺきに
にんげんがたたずんでいるのがみえました。
てぬぐいをした、せいのたかいおとこのひとと、
まえかけのおんなのひとと、
むぎわらをかぶったしょうねん。
3にんはかぞくで、ちちおやとははおや、
そしてこどもでした。
おのおのが、
なにやらとても
しんこくそうなかおをしています。

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