3にんのはなしをきいていたエシカルンは、
どうしてもこのおやこを
すくいたいとおもいたちました。
そうして、てぬぐいのちちおやから、
よくばりな漁師のすみかをおそわり、
ことりさんとうさぎさんといっしょに
たずねてみました。
おそわったばしょにたどりつき、
エシカルンがそのすみかをじわっとのぞいてみると、
そこには、
ごうつくばりなかおをした漁師たちのすがたが。
「わっはっは。きょうも大漁だぞ」
「まったくで。漁が1にち1かいだと?
そんなきまりはあっしたちには
かんけいないってもんです。ね、お頭」
「そのとおり。
『うみのいきものにはかぎりがあるから、1にちに
1かいしかさかなをとるな』だと?
そんなことをぬかすやつは、
いつまでたっても
びんぼうからぬけられないってもんよ」
あくどい漁師たちのなかで、
ひときわいばっているのが、
お頭とよばれているおとこでした。
お頭は、ふきつなひかりをうかべた目を
ずるがしこくうごかしながら、
そばにいた漁師たちにひと声かけました。
「さぁ、3どめの漁にでて、がっぽりかせぐぞ!」
お頭は、いくにんもの漁師を
けらいのようにしたがえて、
ぎょせんにのりこんでいきました。