あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


21 ごうつくばりな、りょうしたち

3にんのはなしをきいていたエシカルンは、
どうしてもこのおやこを
すくいたいとおもいたちました。
そうして、てぬぐいのちちおやから、
よくばりな漁師のすみかをおそわり、
ことりさんとうさぎさんといっしょに
たずねてみました。

おそわったばしょにたどりつき、
エシカルンがそのすみかをじわっとのぞいてみると、
そこには、
ごうつくばりなかおをした漁師たちのすがたが。

「わっはっは。きょうも大漁だぞ」
「まったくで。漁が1にち1かいだと?
そんなきまりはあっしたちには
かんけいないってもんです。ね、お頭」

「そのとおり。
『うみのいきものにはかぎりがあるから、1にちに
1かいしかさかなをとるな』だと?
そんなことをぬかすやつは、
いつまでたっても
びんぼうからぬけられないってもんよ」

あくどい漁師たちのなかで、
ひときわいばっているのが、
お頭とよばれているおとこでした。
お頭は、ふきつなひかりをうかべた目を
ずるがしこくうごかしながら、
そばにいた漁師たちにひと声かけました。
「さぁ、3どめの漁にでて、がっぽりかせぐぞ!」

お頭は、いくにんもの漁師を
けらいのようにしたがえて、
ぎょせんにのりこんでいきました。

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