あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


24 いもうととお頭をたすけたのは

お頭は、りょうてでなみをかきかき、
いもうとに近づこうとします。
けれども、お頭のからだをうみに
しずめてやろうと悪だくみをするなみにおそわれ、
いもうとのところへちかづくことができません。
いっぽうのいもうとはというと、
そのすがたはもうほとんど、
うみのなかにすいこまれるすんぜんです。

もう、だめかもしれない。
お頭がおもった、そのとき。
うみのなかからきこえてくるこえを、
お頭ははっきりとみみにしました。

えしかるるるん、えしかるんるん
えしかるるるん、えしかるんるん

するとどうでしょう。

うみのなかから、
ぴかぴかとしたひかりのつぶのようなものが、
あっちからもこっちからも
いっせいにあらわれたかとおもうと、
つぶはしだいにおおきな
ひとつのかたまりのようにまとまり、
いもうととお頭のからだをもちあげたのです。

そうしてふたりはそのままぎょせんへとはこばれ、
さしのべた漁師たちのてで、
ふねのうえへとひきあげられました。

お頭といもうとがひきあげられたあとのうみには、
まるいひとかたまりだったちいさなつぶが、
しゅうっとかたちをかえ、
ながれるようにうみのなかへとさっていきました。

一覧に戻る