あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


28 ルイさんはあきらめない

ルイさんは、ぜんたい、
どんなけんきゅうをしているのだろう。
エシカルンは、
ルイさんにあってみたいとおもいました。
うさぎさんもことりさんも、
おなじこころもちでした。

女の子にそれをていあんしてみると、
とたんにかおをほころばせた女の子は、
3にんをようようと
ルイさんのところへつれていくのでした。

オリーボロスけんきゅうじょには、
ごぼうのようなからだに
くたびれたはくいをきた、ルイさんのすがたが。
そばにいたじょしゅと、
ぽつぽつ、ぽつぽつとはなしをしています。

「せんせい、けんきゅうひは
とっくにうちきられました。
オリーボロスは、
もう、あきらめようではありませんか」

けれどもルイさんは、ききいれないようす。

「も1かい、わたしにチャンスをくれまいか。
オリーボロスに、
とおいみなみのしまでそだつという、
ノナフーのたねをかけあわせてみたいんだ。
そしたら、
りっぱにそだつオリーボロスが
できるにちがいない」

「でもせんせい、ノナフーはたかくてかえません」
「わかっている。でも…」
そういうと、
めがねのおくのルイさんのひとみは
ほんのすこし、うるん、
としたようでした。
ルイさんはつづけます。
「おじいさんがオリーボロスのために
たがやしたとちで、
たくさんののうみんがはたらいている。
かれらをたすけるためにも、
おじいさんのねがいをかなえるためにも、
あきらめるわけにはいかないんだ」

しばらくすると、
ルイさんのけついにこんまけしたように、
ためいきをつきつき、じょしゅがいいました。

「そうですか。だったら、オリーボロスがそだって
まちがゆたかになるまで、
わたしもてつだいましょう」

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