あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


34 たくさんのようふくを、ふたたび

ぎんいろをしたぴかぴかのはたおりのきかいと、
ワンピースがすきなだけつくれるほどの、
どっさりの糸。

サンタさんは、このふゆ、
せかいでいちばんしあわせで、
いちばんすてきなプレゼントを、
姉妹によういしていたのです。

ふたりは目をかがやかせながら、はなしをしました。

あしたからまた、
いっぱいのようふくをつくりましょう。
こどもたちには、
ぎんぎつねもほしがるようなコートや、
えりまきをね。

おばあさんには、
あなぐまがとうみんからめざめるような、
かたかけもね。

あたたかくなるまでに、
てんとうむしやもんしろちょうが
うっとりしそうなワンピースもよ。そんなふたりのはなしをたのしそうにきいていた、
エシカルンとうさぎさん、そしてことりさん。
さむさなんてなんのその。
3にんはじょうずにスキップをしながら
よろこびのダンスをはじめました。

タッタカ、タッタカ、てをつなごう、
タッタカタンタン、みんないっしょにわになろう。

うさぎさんがぴょんぴょんととびはねると、
じめんにねむっていたゆきの精たちも
いっせいにめざめ、
エシカルンやことりさんのてびょうしにのって、
きらきらとあたりをまいおどりました。

それからしばらくのあいだ、
くる日もくる日もむちゅうで
はたおりのきかいをうごかしていた姉妹。
やがて、
はるをつげるようにマーケットにならべられた、
ふたりのかわいらしいようふくは、
とおいところからもたくさんのひとが買いにきました。

火事で燃えてしまった
はたおりのこうじょうがたてなおされ、
たくさんのひとたちがはたらけるようになるのも、
きっと、もう、まもなくです。

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