あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


38 はじめての、とかいへ

でんきのはなしをしてくれた、
しんせつなおとこのひとにおわかれをした
エシカルンとことりさん、そしてうさぎさん。
3にんは、みんなでくらしていた森に
かえってみることをきめました。

やまをこえて、くねくねのおねをあるき、
たにをぬけて、でこぼこなみちをわたり、
ずんずん、ずんずん。

すると、どうしたことでしょう。
めざす森のとちゅう、めのまえにとつぜん、
たいそうきらびやかな、
とかいがあらわれたのです。
とかいは、つんとすましたなりをして、
エシカルンたちがみたこともないような
しかくなたてものが
おし合いへし合いしていました。

そして、そこにいた
かぞえきれないほどのにんげんは、
3にんがこれまでであってきた
親方や、お頭や、ルイさんや、
姉妹とはちがった、ぴかぴかなようすで、
あっちへむかったり、
こっちへいそいだりしています。

じどうしゃをよけたり、
おいしいにおいについていったりしながら、
おおきなひろばのようなところにでた3にん。
そこでは、まるでおまつりがおこっているように、
たくさんのにんげんたちが、
ようふくや、しょっきや、かぐや、

たべものをすきずきにずらりとならべて、
なにやら、
ひんぴょうかいのようなことが
おこなわれていました。

そのようすをみたエシカルンはふと、
森をでるまえに、ふくろうのおじいさんに
といをしたことをおもいだします。

にんげんって、どんないきものなの?
いいものなの? それとも、わるいもの?

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