あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


40 こどもたちに、おいしいごはんを

マーケットの日は、まるでたからさがしをするように
みんながうきうきとしていました。

しばらくすると、
おや? あれはなんだろう。あっちのほうに、
こどもたちがぎょうれつをしている
あつまりがみえたのです。
エシカルンは、
ことりさんとうさぎさんといっしょに、
その、あかとしろのしましまなテントを
のぞいてみることにしました。

中では、
つくえをよせたおおきなテーブルをかこんで、
こどもたちがおしゃべりをしたり、
わらったりしながら、
おいしそうにものをたべています。

おおきなおさらの上には、
ぴかぴかときいろいたまごをかぶった、
くいしんぼうのこびとのおなかみたいなオムライス。
そのよこっちょには、森のおいわいのようなサラダ。
そのむこうがわには、
クリームがまわったいちごのおかし。

おいしそうだねぇ。
ことりさんがいうと、うさぎさんもうなづくように
ピンクの舌をぺろりとだしてみせました。

おくでは、
コックさんのようなかっこうをしたすうにんの
おとこのひとが、
にこにこしながらおりょうりをこしらえています。

きょうはこどものおいわいの日ですか?
エシカルンは、いつものように、
おとこのひとにといをしました。

これはね、こどもしょくどうというものなんだよ。
マーケットの日には、
どのこどももみんなおなかがいっぱいに
おいしいものがたべられて、
しあわせなきもちになれるように、
ここでぼくらがりょうりをつくってだすんだ。

ざいりょうは、かいすぎてしまったたべものや、
レストランであまったにくややさいを、
まちのひとがわけてくれるから、
おかねもかからないんだよ。

おとこのひとは、できあがったオムライスに
ケチャップでにこちゃんをえがきながら、
うれしそうです。

エシカルンは、
にんげんはいいものだとおもいました。

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