あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


41 たのしくはたらいて、うまれるしなもの

ひっきりなしにこどもたちがやってくる
しょくどうで、
コックさんがエシカルンにおしえてくれました。

あそこにマーケットでいちばんにんきな
テントがあるから、いってみてごらん。

エシカルンとことりさん、うさぎさんが
むかってみると、テントのまえで、
ようせいのようにかわいらしいむすめさんが
ていねいなおじぎで3にんをむかえました。

テントにはいった
エシカルンたちの目にとびこんだのは、
そこにならべられた、とりどりのしなもの。
コーヒーまめに、バナナに、チョコレート。
ちょうみりょうに、セーターに、
くびかざりやブローチも。

うさぎさんが秋のころにほしいとおもっていた、
ぶどういろのちょっきもありました。
エシカルンが、ふくろうのおじいさんの
おみやげにしたい、めがねいれもありました。

ここにあるしなは、
はこばれてくるのにいくにちも
かかるようなとおくはなれたくにで
つくられているんですよ。

おもてにいたむすめさんが、
エシカルンにはなしかけます。

山にかこまれた、とてもまずしいそのくにでは、
おとなもこどももいっしょうけんめいに
ろうどうをして、
コーヒーまめやバナナをそだてたり、
いとをつむいだり、
ほうせきのいしをみがいたりしているのに、
できあがったものは、ずるい商人に、
たったこれっぽちのおかねで
買いとられていたのです。

でもあるとき、
それはおかしいときづいた
やさしいひとたちが、
かれらのろうどうのがんばりに、
きっちりと
おかねをはらってくれるようになりました。

おかげで、そのくにでは、
みんながとてもたのしく
はたらけるようになったんですよ。

テントの中のしなは、
そうやってつくられた
フェアトレードというしょうひんなんです。

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