あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


6 にんげんに、手をかしてやりなさい

でも。
と、エシカルンはずんとしたきもちになるのでした。
ぜんたい、にんげんとは、
どういうものなのだろうか。
それは、やさしいものか、こわいものか、
たのしいのか、えらいのか。
エシカルンには、そうぞうもつきません。

ことりさんにも、うさぎさんにも、
それは、てんでにわかりませんでした。

にんげんって、どんないきものなの?
いいものなの? それとも、わるいもの?

エシカルンはおそるおそる、
おじいさんにといをします。

いいものだったら?
ことりさんがきくと、
おじいさんはすぐさま言いました。

手をかしてやりなさい。

わるいものだったら?
うさぎさんがきくと、
おじいさんは間をおいて言いました。

よくなるように、手をかしてやりなさい。

手をかすって、どうすればいい?
しばらくかんがえあぐね、下をむいてしまった
3にんのあしもとには、
きえてしまったはずのお花たちの
ためいきがながれたようなきがしました。

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