さぁ、3にんで、ゆうきをもって森をでてみなさい。
ふくろうのおじいさんは、そうつづけます。
すいしょうの玉のようにかがやく
そのおおきなひとみに、うつむいたエシカルンの
すがたがうつりました。
ことりさんとうさぎさんの
不安げなおかおがうつりました。
だいじょうぶだ。なにもこわいものはない。
わたしのちからをエシカルンにさずけよう。
とつぜん、さゆうのはねを、かぜをおこすかのように
おもむろにひろげたおじいさん。
厚ぼったく着こんだがいとうは、
かろやかに舞っているふうにさえみえました。
にんげんに手をかしてやりたいとおもったら、
そのときはエシカルン、
こういうふうにじゅもんをとなえるといい。
「えしかるるるん!えしかるんるん!」
ぴっちりとはりのあるおじいさんの声が、
そこらにひびきわたったしゅんかん、
森のなかのはっぱというはっぱは
ざわざわとひるがえりました。
エシカルンは、森にいぶきがかえってきた
そのようすを、ただじっとみつめています。