エシカルン。ためしてみなさい。
このじゅもんで、いなくなってしまったお花たちが
そっくりもどってくるように、となえてみてごらん。
エシカルンは、おなかがふくれるほどいきをすい、
まっかにうれたりんごのようにほっぺたをそめながら さけびました。
えしかるるるん!えしかるんるん!
お花たちを、どうか、かえして!
するとどうでしょう。
まるでだれかが、ももいろややまぶきや、みずいろの
ちよがみをさんかくにしてまいたみたいに、
いくせんのちょうちょうがひらひらと
あらわれては、つぎつぎにじめんにとまりました。
「わぁ!すごいよすごいよ、エシカルン!」
「こんなにきれいなのはみたことがないよ!」
ことりさんは、ちいさなあたまの上に
ちょうちょうをとまらせてあげました。
うさぎさんは、ちょうちょうといっしょになって、
くるくるまわってみせました。
そのときです。
ふいにみなみのほうから、あたたかいかぜが
びゅうとふいたかとおもうと、
ちょうちょうはかぜにのっていっせいに
とびたってしまったのです。
ちょうちょうたちがとびたったあとには、
とりどりのお花が、にっこりと
えがおにさいていました。