あしたのせかいをたびするおはなし ことりとうさぎとエシカルン


8 お花たちが、もどってきた

エシカルン。ためしてみなさい。
このじゅもんで、いなくなってしまったお花たちが
そっくりもどってくるように、となえてみてごらん。

エシカルンは、おなかがふくれるほどいきをすい、
まっかにうれたりんごのようにほっぺたをそめながら さけびました。

えしかるるるん!えしかるんるん!
お花たちを、どうか、かえして!

するとどうでしょう。
まるでだれかが、ももいろややまぶきや、みずいろの
ちよがみをさんかくにしてまいたみたいに、
いくせんのちょうちょうがひらひらと
あらわれては、つぎつぎにじめんにとまりました。

「わぁ!すごいよすごいよ、エシカルン!」
「こんなにきれいなのはみたことがないよ!」
ことりさんは、ちいさなあたまの上に
ちょうちょうをとまらせてあげました。
うさぎさんは、ちょうちょうといっしょになって、
くるくるまわってみせました。

そのときです。
ふいにみなみのほうから、あたたかいかぜが
びゅうとふいたかとおもうと、
ちょうちょうはかぜにのっていっせいに
とびたってしまったのです。

ちょうちょうたちがとびたったあとには、
とりどりのお花が、にっこりと
えがおにさいていました。

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